親孝行しなきゃ……と気になっている人が多いですが、親孝行することが親子でお互いの負担になっているケースがあります。
確かに親孝行っていい響きなんですが、親子お互いにとってストレスフリーじゃないと本当の親孝行とは言えないんじゃないでしょうか。
そこで、やるほうもやられるほうもしんどくならない親孝行の仕方と、プレッシャにーにならない親孝行に対する考え方を紹介します。
普通の考え方と違います。旅行とか食事とか、そんなありふれたものじゃない、自分も得する親孝行の仕方です。
親孝行は自分のためにすればいい理由
親孝行は自分にメリットがある行動だと考えれば楽です。
そもそも親孝行って何か?
というと、親に喜んでもらいたいという気持ちがありますよね。
でも、裏では親孝行しないと自分が悪い子供じゃないか?今やっとかないと親が亡くなったりしてできないんじゃないか?という自己満足から親孝行の動機は来ています。
そんなことはない!!ひどい!!
と激怒する人もいるでしょうが、これはものすごく原理の部分を言っているだけで、何もそのとおりだって言い切っているわけじゃありません。
似た話では、親が子供にマナーを教えるのは、その子供の将来のため、周りに迷惑をかけないため、といったのが表向きの理由。
でも裏では、子供が周りで迷惑かけると、その親が恥ずかしい思いをする、そうなりたくないから「しつけ」をしている、とも見れます。
うがった見方かもしれませんが、親孝行もこういった考え方を持ち込めば、親孝行で何をしたらいい?しなくちゃならないのか?という不安からは開放されるんです。
簡単な親孝行は親の健康寿命を伸ばすこと
子供にとって親が、悪く言うと、厄介になるのは体を壊したり認知症を発症することです。
現代医学でも明確な予防方法がないので、結局は優れた食事と適度な運動。頭をある程度使ってストレスをためないってくらいしか対策がありません。
なので、子供としては親孝行でココをやってあげればいいんです。
親としても子供に迷惑をかけたくないし、子供にとっても、親が老いたときに自立して生活しれくれれば言うことありません。
一般的な親孝行だと、親孝行をやって息子や娘が期待するのは、親の笑顔や、親が満足している姿。
そこに自分も満足感を感じますし、親孝行している自分に気分が良くなるものです。
でも、それだと親孝行で何をすればいいのか?ってところが難しかったり。
旅行をプレゼントしたり、一緒に食事に行ったり、何か喜びそうなのをプレゼントしたり。
でも親が「これはありがた迷惑だな……」と感じていることもあります。
確かに親孝行なんですが、親が喜んでくれそうかどうかで選んでますよね。
それだと、そういったことを考えるのが苦手だったり、親に恥ずかしくて言いづらいとか、親が遠慮して思い通りにならないとかうまくいかないことが出てきます。
でも、親の健康寿命を伸ばすための親孝行ならどうか?
こう考えると、親孝行としてできそうなことが一気に増えます。
親の健康寿命を伸ばす親孝行の仕方
1.電話・メッセージ・ビデオ通話
こんなことが親孝行?
と思うでしょうが、親子がコミュニケーションを取るのは親のボケ防止にもなるし、言い方が悪いですが相続のときに揉めづらくなります。
歳を取ると周囲と積極的にコミュニケーションを取らなくなります。
そして耳が遠い、頭の回転が鈍くなって世間で何が起きているか分からない。
若い人でも周りから無視されると心が耐えられなくなったり、周囲を憎んだりとなりますよね。
これと同じように、体や耳、目などの衰えから年寄りは卑屈(ひくつ)になりがち。キレる老人は医学的にどうこう言われていますが、背景にはこういったことがあると考えています。
そんな親が寂しい、何か分からないからといって子供に逐一連絡は取りません。
迷惑じゃないか?まあいっか……
そうやって、分からないことや不安なことを放置して、無関心になったり勝手な想像が進んでしまったりして、性格が変わったようになったり認知に進んだりします。
だからこそ、子供のほうから時折親に連絡を取るのは重要です。
電話でもなんでもいいです。LINEでもいいし。
最近だとAmazonのアレクサ端末が簡単にビデオ通話できて便利です。親元に置いておいてすぐに通話できます。
そうやって親子で会話することで、年老いた親は世間から隔離されたような恐怖に飲み込まれずに住みます。
何を話せばいいんだ?照れくさいと思う人が多いと思います。
それだったら、「寝たきりにだけはならんでよ~」「肉食べてる?パンばっかりじゃ脚弱ってダメになるよ?」
とか、こっちに迷惑かけんなよ!という感じで話します。
もちろん、冗談めいた話し方です。リアルに怒って注意するわけではありません。
でも、「元気にいてね」なんて言っても親は元気で過ごすための努力なんてしません。しかし子供に迷惑をかけないように、と思うと努力します。
このあたりは家庭環境にもよりますが、優しい言葉をかけても実は大した効果はありません。嫌な言い方をすると、元気でいてよ=迷惑かけんなよ、とも言えますよね?
同居していても注意が必要です。
一緒にいるからと気にかけていない親子が多いです。これだと意味がありません。
「機能より顔色いいな。なんかあった?」「昔あった○○ってどこにあんの?」
意外とこんな会話でさえしていない同居親子もいます。
最新のワードについて、こんなの知ってる?とか聞いてみるだけでもいいです。今こうなってんだよ、という世の中のことを教えてあげるだけで、親の閉鎖された日常が広がって疎外感が減ります。
地味ですが、こういったことが親の認知力低下を予防して親子ともどもメリットがあるんです。
面倒くさくても何でも意思疎通するように。うん、いいや、だけで終わる会話じゃなくて、親が考えて回答できる質問を投げかけましょう。
立派な親孝行です。
2.肉などタンパク質を食べる機会を設ける
特に母親に注意!
母親は子供が巣立って夫婦同士になると、次第に料理に関心がなくなる人が増えます。
すると、特に自分が食べるものはいい加減になり、口に運びやすいものばかり食べがち。
となると、パンとか麺類とか炭水化物が多くなり、噛むのに力がいる肉類に関心を持たなくなります。
これは明らかにタンパク質不足になります。
夏バテはなぜ起きるかというと、そうめんとか冷や麦、そして冷たいものばかり食べて胃が疲れるので、重たいもの、つまり肉類を食べなくなるからです。
だからダルくなるんです。
母親は歳を取るとこれが年中になりがち。
すると肌と髪の毛の具合が悪くなり、外に出かけたくなくなります。
また筋肉が落ちてくるので脚が痛い、腰が痛い、背中が曲がってくるなどの症状がきつくなります。
年寄りはかなりタンパク質不足になりやすいんです。
放っておくと、どんどん老けます。
ご長寿、そして80代以降も背中が曲がらずバリバリ動けている人の共通点は、肉類などタンパク質を毎日しっかり食べている点があります。
肉類などは普段から食べていないとだんだん食べられなくなります。消化に負担がかかるため、普段食べていない人が食べると胃もたれするからです。特に歳を取ってから肉を食べない期間が長いと、ますます肉が食べられなくなります。
タンパク質を分解する消化酵素はタンパク質から作られます。
つまりタンパク質不足になると肉類(タンパク質)をさらに食べられない体になります。
かといって、親にステーキとか脂身が多い部分を食べさせるのは虐待になる恐れも。
親の状態を把握して、徐々にタンパク質を自ら食べる習慣をつけさせる、これが親孝行なんです。
だって、親だってしんどい毎日をすごしたくないでしょう。ダルいのは年齢のせいもありますが、もしタンパク質不足ならその可能性も大いにあります。
でも親に、健康のためにタンパク質を取ったほうがいい、と言っても言うことを聞いてくれない親も多いです。
この場合、子供からじゃなくて医者とか友達とか第三者からだと言うことを聞いてくれやすいです。うまく協力してもらうのも手段。これって親孝行じゃないでしょうか?
あと有効なのは、ふるさと納税で上質の赤身肉を贈ります。
ふるさと納税は自宅以外でも配送指定ができるので贈答品にも活用できます。
人気なのは霜降りのお肉ですが、油がきつい場合もあります。なので赤身の高級なお肉を親にプレゼント。
これなら焼くだけで簡単だし、油でモタれる心配もありません。
柔らかくて癖がなく、普段お肉を食べていない親も喜んでくれる可能性が高いです。
そして、肉を食べないと老けるのが早いから、無理ない程度にお肉も食べてね、と伝えましょう。
もちろん肉が苦手な親なら別ですが、そうじゃないなら自然で有効な親孝行です。
わざわざ肉を買って贈った、というと余計なお金を使わなくていいのに、と遠慮する親も、ふるさと納税だから実質タダなんだよ!と伝えれば気兼ねせず食べてくれます。
これをきっかけに、肉の美味しさに気づいてもらえれば、親のタンパク質不足が解消されて、脚力や体力が維持されて健康寿命が伸びる期待ができます。
3.同世代と比較する意識を持たせる
ちょっと嫌らしいやり方かもしれませんが、同世代より若い、元気と親に思わせることで活力を持たせることができます。
女性もある程度歳を取ると、同世代と比べて若いかどうか?は気になるはず。
歳を取ると、その自分の姿が嫌になってきます。今までできていた些細なことができなくなってきて年齢を感じたり。
特に嫌になるのが、同世代やさらに上の世代の老いた姿。
自分もこうなるのか……
と気分が沈みます。
30代や40代の女性なら、まだ自分は若い!もっときれいになれるはず!と、新しい化粧品を探したり、美容室を変えたりとか積極的に動けますよね。
でも、そんな女性も歳を取るとそういった身だしなみに対する関心が衰えてきます(女性はかなり個人差がありますが)。
理由として人の目にさらされなくなる、というのがあります。
垢抜け
という言葉がありますが、垢抜けする一番の理由が人に見られるという「意識」です。
意識が変わるとホルモンバランスも変わるし、自分を変えようとするのに必要なエネルギーも湧いてきます。
だから大学デビューがあるんです。
多数の目に触れる、という意識が人を変えます。
でも歳を取ると、体力や足腰の問題、交友関係の減少などで出かけることが減ります。また歳を取ると図太くなったり、耳や目が衰えることで周囲の刺激を受けにくくなります。
このように、若い時と比べて非常に人の目線を気にしなくなります。
出かける先が病院ばっかりだと特に。
そうやっている内に、今から何か努力するなんてバカらしいと、前向きになる気持ちが持てなくなってきます。
どうせあの人みたいになる。どうせ最後は寝たきり。
こうなってしまうと、いくら筋トレやタンパク質摂取が重要だと言っても無駄です。
でも、人と自分を比べて、自分が同世代よりマシ、若い、イケてると思えれば、それを維持しようという気力が年寄りにも湧いてきます。
この意識を持てるように子供が仕向けるのが親孝行の一つ。
子供にとっても親が若くいてくれて介護リスクが避けられますし、親だって毎日の気分が軽くなります。親子にメリットがありますよね。
具体的にどうするか?ですが、TVを一緒に見ているときがいいです。
同世代の人が映ることがあります。そのとき、親より見た目が老けている人を失礼ながら使わせてもらいます。
「お父さん!この人70歳だって。お父さんのほうが若いよね」
みたいに、この人よりあんたは若いんだよ、同世代よりイケてるよ、という自信を持たせます(利用した人ごめんなさい)。
病気の人や認知症の人を引き合いにしても意味はありません。そもそもモラル的にどうとかもありますが、歳を取ると自分もいずれそうなると諦めがちなので、そんな人に比べて今健康だから、と言っても自信になりません。だから無駄。
褒めるポイントは、
- 見た目
- 髪の毛の量
- 肌ツヤ
- 姿勢
- 服装
- 仕事
とかいろいろありますよ。
些細なことでいいので、ウチの親は同世代より若いな、と思う点があったら伝えましょう。
親の自信が健康寿命を伸ばします。こんな些細な会話だけで、介護リスクが減少して将来の負担を軽くできます。
4.脚力を鍛えられる環境を作ってあげる
歳を取るとほぼ間違いなく起きるのが転倒事故です。
どれだけ頭がハッキリしている人でも転倒する可能性は非常に高い。
そして、歳を取ると骨が弱くなっているのでこれまた高確率で骨折。
するとどうなるか?
一気に老けます。
若い人なら復活しますが、歳をとってからの骨折はそのまま認知症や寝たきりに発展します。
なぜか?
人は自分の足で歩けないと尊厳を保てないからです。
パラリンピックで活躍する選手なんて、よくそんな不運があっても前向きになれるな、と関心しますが、そこに至るまでには想像もつかない葛藤と戦ってきています。そんな気力が年寄りにあるでしょうか?
若いからこの先も長く生きないといけません。だから仕方なく前を向かざるを得ない環境があります。同世代が笑っている、成功している、成長している、そんなのを常に見せられます。だからやらざるを得ないと前に歩ける可能性がある。
でも年寄りの世界はどうか?
生きても先は長くない。同級生は何人も死んでいる。病気のやつも増えた。自分も衰えを感じている。
この状況で自分の脚が言うことを聞かない状況になったらどうなるか?
やる気なんて出ません。おしまいです。
だから一気に気力が低下。リハリビなんてやっても無駄。
食べないともっと悪くなると言われても、もうどうでもいい。肉類を食べなくなりタンパク質不足。そのせいでさらに消化力低下。
つまり歳を取ってからの転倒事故は、息子と娘にとっては介護リスクがほぼ確実にやってくるんです。
つまり、できるだけ親がこけない、骨折しない環境を子供が作ってあげる。
すると介護リスク、認知症の発症リスクを抑えられる。子供にとって利益があるし、親子間での出費も抑えられる。
具体的には、自宅でできる自転車環境。
筋トレは有効ですが、マシンを家に置けないし、ジムに通わせるのも無理。スクワットも効果ありますが習慣化しづらい。
もし本気でやりだしても骨折する可能性もあります(加山雄三さん、筋トレ中に骨折 全国ツアーは予定通り)。あの元気な加山雄三でも鍛えるせいで骨折しちゃうんです。
その点で自転車は非常に有効。
膝を傷めず脚力を鍛えられて転倒、寝たきり予防。心臓も鍛えられて血管系の病気リスクも下げられます。
室内自転車トレーニングは部屋の広さに問題がありますが、それでも価値があります。
エアロバイクでもいいのですが、理想はクロスバイクのような通常の自転車。
私の親にはGIANTのエスケープR3という定番クロスバイクに、ELITEのランパというスマホ操作できるトレーニングマシンを使わせています。
エアロバイクはなぜダメかというと、重すぎるのと価格が無駄に高かったり、姿勢がママチャリ姿勢で腰やお尻の筋肉を鍛えづらいから。またサドルがでかすぎてお尻や股が痛くなるなど、何かしらの理由で続けられない可能性が出やすい。
また大きいので威圧感があり、トレーニングさせられる感もあって嫌がる親も多いです。
いかにも「リハビリ」みたいなイメージもあるんです。NHKでも年寄りがエアロバイクに乗っている映像をたまーに見るんですが、そういったイメージが頭の片隅にあるのかも。
でも通常の自転車との組み合わせなら、普通の自転車だしスポーツバイクだし、自分は年の割に動けているという自信に繋がります。歳を取ってからは同世代との比較が重要。それくらいしか自信を持てることってなくなるので。
親にこういったトレーニングマシンを準備すると、こんなことにお金をかけるなと嫌がる場合も多いです。
こんなときは、「高く売れるから気にしなくていいよ。いらなくなったら俺が乗るし」と言っておけば気兼ねありません。
また、ポイントで買ったからお金払っていないと言うのもいいです。
歳を取ると自分のために出費、というのを嫌がることが多いので、気軽に使えるという環境を作ってあげましょう。
とにかくサッと始められて、怪我の恐れがないトレーニング方法がおすすめ。
室内自転車なら、TV見ながらとかでもできるので続けやすい。
乗ることで同世代より若いことできているという自信が持てる。
ウチの父親にこれをやらせているおかげで、85歳超えてもめちゃくちゃ元気です。80歳くらいで老け込んでもうダメかと思ったのですが、今のほうが完全に若くなっています。
5.バリアフリーのリフォーム
もし部屋に段差が多いなら、段差をなくすバリアフリーリフォームの工事は親孝行になるでしょう。
4.と同じで、転倒リスクを避けることで親子ともどもメリットがあります。
ただ4.と違って、バリアフリー化させるタイミングが問題。
本来ならまだ元気なウチにやっておくべき工事です。どうせやるなら。
でもそれって親を年寄り扱いすることになるので、親の性格によってはプライドを傷つけます。
かといって、こけてからバリアフリーにしたって意味ないんです。
まあ親孝行にはなるんでしょうが、それだったら自らこけない体にさせたほうがやりやすいと思います。
親孝行は一瞬で終わらないものを選ぶと楽
親孝行について真面目に考えている人ほど満足できません。
親孝行しているって実感がない人が、周りから見たら親孝行していたりするもんです。
どんな人かというと、継続的に、または定期的に親に何かメリットを与え続けている人です。
実家が遠くない場合、月に1回は帰って一緒にご飯食べて会話している。これって立派な親孝行じゃないでしょうか?
でも親孝行しているって実感を息子と娘は感じていませんよね。習慣になっているだけ。
つまり、親孝行って意識して行うものじゃないんです。自然とできる、子供世代が負担に感じないことが本当の親孝行です。
でも親孝行しなきゃ!って考えると、自分もしんどくなります。
親孝行ベスト5!とかの記事をみてやるのもいいですが、親孝行なんてそこら中に溢れています。何か特別にやることが親孝行とは限りません。
もしかすると、あなたは既に親孝行をしているかもしれません。
でも実感がないのなら、これからも親子でメリットが続く、定期的にメリットがあることをしてみましょう。
まともな親なら、子供には元気に困らず生活してほしいと思うのが何より。
だったら親にも自分にもメリットがある親孝行をすれば、親の希望にも叶うし、自然に継続的にできることがありますよね。
旅行のプレゼントもありです。贈り物もありです。
しかし、これを継続的に、かつ定期的にやるのは経済的に負担となる人も多いですよね。稼ぎが悪いから親孝行ができていない、なんて思わないように。
考えるのがしんどいなら、メリットを考えましょう。いやらしくありません。親子の間なんですから他人にどうこう言われる筋合いはありません。
親孝行したいときに親はなし
なんて言いますが、親が死んだときに自分は100%親孝行だったと自信が持てる人なんていませんよ。そのときにどれだけ後悔しないで済めるかどうかです。
つまり、自分にメリットがある親孝行をしとけばいいです。旅行やプレゼントを繰り返して、果たして親が死んだときに親孝行できたからと後悔しないと言えるでしょうか。もっと話せばよかった、もっと気にかければよかった、こんな後悔をすることになるかもしれませんよ。